お金持ちの教科書

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お金持ちになるためには、怖そうにした方が得なのか

 

 「ウェブはバカと暇人のもの」で有名な中川淳一郎氏が、タレントのベッキーがあれだけ叩かれたのは、いい人そうに見えたからに過ぎないという趣旨の発言をしていた。これはまさにその通りであり、日本は言語ではなく、印象でほとんどすべてが決まってしまう社会だ。お金持ちほどこの事実を熟知している生き物はいない。

怖そうにしていると相手は容易に言うことを聞く?
 ほとんどの人間は、言語で相手の事を理解しようとしない。やさしそうな人が、ソフトな雰囲気で深刻で厳しい事を言ってもほとんどの人が深刻には受け止めない。一方、最初から怖そうにしている人の言うことは、過剰に受け止める傾向が顕著だ。要するに多くの日本人の行動は、その場の暴力的な権力関係でほぼすべてが決まってしまう。

 コロコロと意見が変わる人をよく見かけるが、これは頭の中が混乱しているわけではない。その場、その場で、目の前にいる、力(権力)のある人に合わせているだけであり、本人にとってはごく普通の行動なのだ。

 お金持ちは人によって態度をよく変えるといわれるが、そうなる理由は、誰よりもこの仕組みを理解しているからである。

 自分の指示通りに人を動かしたい場合、相手がある程度、論理的な思考回路を持っているのであれば、理由を説明し、相手にメリットを提供すれば、その通りに動いてくれる。だがそのような相手は希である。ほとんどの人が論理では動かず感情と印象だけで動く。

 このタイプの人間にはあまり論理は通用しない。最初から怖そうに振る舞ってしまった方が、とりあえず言うこと聞かせるという点では手っ取り早いのだ。コワモテにしている人が多いのはそのせいである。

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お金持ちは「いい人に」見られた方が圧倒的に得をする
 これは逆の話も成立する。ソフトな語り口を心がけていれば、たいていその人は「いい人」と言われる。ベッキーも、これまで喋ってきた内容を論理的に理解されていれば、ここまで過剰に「いい人」とは思われなかっただろう。だが、ほとんどの人は見た目の印象ですべてを決めてしまう。

 お金持ちの人はソフトに振る舞う人が多いのだが、それはお金があるので心に余裕があるということだけが理由ではない。嫉みの感情が支配する日本社会では、ソフトに振る舞った方が「あの人はお金があるのに謙虚だ」「あの人は人格者だ」と周囲から評価され、圧倒的に有利になるのだ。

 したがってお金持ちの人と対峙する時は十分に注意した方がよい。その振る舞いは計算され尽くされたものかもしれない。逆にいえばお金持ちの人は論理で動いていることが多いので、何をしゃべったのかについては、神経を集中して聞いた方がよいだろう。本当は何を考えているのかが、よく分かるはずだ。

 相手を雰囲気で判断する社会は、経済全体で見るとロスが多く非効率的だ。だが多くの人がそうである以上、その中で有利に振る舞うには、論理ではなく情緒を前面に出した方が得ということになる。

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