お金持ちの教科書

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お金持ちの人は自分の死を数字にできる

 

 お金持ちの人にとって時間は何よりの貴重品である。したがって自分が死ぬまでにどのくらい時間があるのか、人が死ぬ確率はどのくらいなのか、冷静に計算していることも多い。こうした思考回路はお金持ちにとってますます有利に働くことになる。

死ぬまでの時間をカウントダウンする起業家
 GMOインターネット創業者の熊谷正寿氏は、常に自分が死ぬまでの時間をカウントダウンしているという。ゼロから会社を立ち上げ、巨大企業に成長させた熊谷氏だが、まだまだやりたいことがある。このため、エクセルで自分の余命を常にチェックし、限られた時間を有効に活用しているのだそうだ。

 そんなことをしてもいつ死ぬのか分からないだろうと思った人は少し慎重になってみた方がよい。人がどの程度の確率でなくなるのかは容易に知ることができるし、そうした感覚があると資産形成にも非常に役立つのである。

 普段はあまり意識していないかもしれないが、生命保険というのは、人が亡くなる確率を客観的に分析しないと成立しない商品であり、保険の商品設計は非常に参考になる。

 では、人が亡くなるというのはどの程度、現実的な問題なのだろうか。

 実は豊かになった現在の日本では人はそうそう亡くなくならないというのが客観的な判断である(もちろん不幸にして亡くなってしまう方は一定数存在するが・・)。

 例えば、60歳まで死亡保険金が出るタイプの商品に30歳で加入したと仮定しよう。月々の保険料は1万5000円だとすると、加入者は60歳までの間に合計で540万円のお金を払うことになる。保険金が6000万円の場合、保険会社は加入者が死亡する確率を540万円/600万円で9%と計算していることになる。

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人はそうそう亡くならない
 しかし、現実に30歳の男性が60歳までに死亡する確率は7%程度しかない。9%の人が亡くなることを前提に保険料を徴収しているが、実際に亡くなる人は7%である。この差額はすべて保険会社の儲けということになるわけだ。

 40男性が1年以内に死亡する確率はわずか0.1%、50歳になっても0.3%である。これを高いと見るか低いとみるかは人それぞれだが、意外と低いというのが多くの人の印象ではないかと思われる。

 そうなってくると、平均寿命までのカウントダウンを毎日行っている熊谷氏の習慣にはしっかりとした合理性がある。また、この計算結果は、場合によっては過剰な保険に入ってしまう人がいる可能性も示唆している。

 もちろんイザという時の備えは必要だが、過剰な保険負担が家計を大幅に圧迫している人も少なくない。死亡するリスクと支出については適切なバランスが必要であり、このあたりの感覚は、資産形成の大きなカギとなってくるはずである。

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