日本人は皆マスゾエさん?経費に血道を上げる人はお金持ちになれない
舛添要一東京都知事がとうとう辞任を決断した。舛添氏を批判する声はすさまじいものがあるが、実は、日本のサラリーマンの中には、舛添氏的な人は無数にいる。単純に役職が低いので大きなお金を使えないだけで、経費にタカろうという人は多いのだ。
経費に血道を上げる人は、お金に対する執着心が異様に強い
筆者は、以前から、会社の経費で飲み食いしようとする人は、お金持ちになれないと指摘してきた。ケチな人はダメだという単純な理由もあるのだが、ここには、もう少々、本質的な理由がある。
舛添氏くらいの立場になれば、不適切な支出といってもかなりの額となるが、普通のビジネスマンにとっては、会社の経費で落とせる額などたかが知れている。そんな程度の支出のために、周囲からはケチだと思われたり、経理部門に文句を言われたりしながら、経費の処理をすることはあまり合理的とはいえない。
では、なぜ経費で落とそうという人は、そこまで経費での処理にこだわるのだろうか。ズバリいうと、これはお金に対する異様な執着心の裏返しである。しかも、ある種の性癖と同じで、実は本人にもコントロールできていないことが多いのだ。
理性で考えて不適当であっても、自分のカネを使わないで済む方法があると、それをガマンすることができないのである。こうした感情は、まさに右脳レベルの話なので、理性で抑えることが難しい。そして、自分のお金を問答無用で手放したくないというこうした感情は、お金儲けにとって、もっとも邪魔な存在なのである。
手離れが良くないと大きなお金は稼げない
筆者は、以前、自身が経営する会社で、ある大企業の出身の人物を雇ったことがある。その人物は入社早々、会食の経費を会社に請求してきたが、内容はまったくのプライベートなものであった。筆者が指摘しても、仕事に関係あるという、見え透いた言い訳を延々と繰り返すだけであった。
これは一種の病気であり、おそらくこの人物は、経費の使い方について指導を続けても、改善することはほぼ不可能と考えられた。
その人物については、筆者は、多少の時間を置いた上で、会社を退いてもらった。後で知ったのだが、その人物は家計もかなりの浪費体質となっており、兄弟からお金を援助してもらっている状況だったようである。
お金とは不思議なもので、普段は支出には厳しくても、使うべき時にお金の手離れがよい人のところに、なぜか集まってくるものである。
ビジネスや投資において、ここぞ!という時には、苦労して貯めたお金であっても、惜しげもなくつぎ込まなければダメである。この決断ができるかどうかが、最終的には勝負の分かれ目となる。
普段のお金の使い方において、ケチで経費依存のタカリ体質になっている人が、イザという時に思い切ってお金を投じることが出来たケースを筆者は見たことがない。
もしお金持ちになりたいと思っているのなら、経費で落とそうなどという考えは、すべて消し去ることだ。
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