出来ない理由を並べる人はお金持ちになれない
この天才は実はあちこちに存在していて、しかも自分がそうであることをほとんど自覚していない。仮にここでは「出来ない君」と呼ぶが、この出来ない君はお金からもっとも縁遠い存在の一人である。
独立起業に関するコンサルタントをしているCさんにところには、毎日多くの人が、独立や起業の相談にやってくる。だがその中の7割くらいは「なんでここに来ているの?」というような人なのだという。
できない理由を並べ立てる天才
金融関係の会社に勤めるTさんもその一人だ。
Tさん「独立して会社を作りたいと思っているのですが、どんな分野がいいか相談しにきました」
Cさん「では、Tさんが経験してこられた金融の分野では何かアイデアはありますか?」
Tさん「この業界は保守的なので、新しい事業ができる雰囲気ではないんですよね」
Cさん「確かにそうかもしれませんが、多くの新事業は皆が「ムリ」というところから始まります」
「少し頭を真っ白にして考えてみませんか」
Tさん「この業界ではそういうことは絶対ムリなんです」
Cさん「そうですか、ではほかの分野でははどんなところが興味ありますか?例えばITとか」
Tさん「僕は手に職がないので、ITは無理です」
Cさん「別に起業はエンジニアでなければできないというわけではないですよ」
「むしろそうじゃない人の方が向いてたりもします」
Tさん「うーん。でも技術はよくわからないので」
Cさん「では外食などはいかがですか?」
Tさん「外食は競合が多くて大変ですよね」
Cさん「確かに競合が多いのは事実ですが、それだけニーズはあるということです」
Tさん「うーん」
もうお分かりだろう。Tさんは何を言ってもダメなのである。新しい事業が気持ちよく受け入れられて、高い技術は必要とせず、競合も少なくて儲かる事業なんてあるわけがない。あれば誰もがとっくにやっているだろう。
同じ状況でも正反対の解釈
人と同じことをやっていたのではお金持ちにはなれない。
事業であれ投資であれ才能であれ、何か新しいことをしなければ人より稼ぐことはできないのである。
人がやっていないことを実行するのは困難を伴うがそれがチャンスでもある。
上の例では、お金持ちになれる人はこう考える。
業界が保守的な雰囲気だ
→新しい事業がなかったということは、チャンスあり
自分には手に職がない→できる人を探してみよう
技術はよくわからない→分かる人に聞いてみよう
競合が多くて大変→ニーズが多いのは事実
不動産投資で大成功し大金持ちとなったEさんは、もともと不動産とは何の縁もなかった。だが雑誌で不動産投資がブームになっていると知り、自分もトライしてみたくなった。
Eさんは不動産は素人だったので、実際にやってみるのが一番と思い、すぐに勤めていた会社を辞め、求人を出している不動産会社に片っ端から電話した。
未経験者でも採用してくれるというA社から内定をもらったEさんはすぐに営業マンとして働き始めた。不動産投資をしたいという目的があるEさんにとっては、キツイ営業の仕事もすべてが情報収集なので苦にならなかった。2年間その会社で働きノウハウを貯めたEさんは、会社勤めと平行して投資を開始し、5年後には会社を辞め不動産投資専業となった。
自分を特別な存在だと思っている人は意外と多い
Tさんのように、出来ない理由を連発する人は、表面上は謙虚なフリをしていても、深層心理では自分は特別な存在だと思っている。
自分にだけはリスクがなく確実に儲かる話が舞い込んでくると思っているのである。
というよりも、自分はそうなる資格がある人物と思っている。
しかも本人はそのように考えているという自覚がないからさらにタチが悪い。
TさんがCさんに相談に来るのは、本当は独立や企業の相談が目的ではないのだ。自分は優れた人間なので、周囲から評価されるべきだと思っているのに、実際には自分が考える程は評価されていない。
その不満のハケ口が独立起業計画ゴッコなのだ。独立と起業がもっともっと大変であることなどハナから考えてなどいない(本人はそう思っていないが)。
Tさんはかなり重症なのだが、もう少し軽い症状の「出来ない君」はかなり多い。だがこれは確実にお金持ちの世界から自分を遠ざけてしまう。
自分はそうならないよう常に注意しておきたいものだ。
【参考記事】
「割り勘男がお金持ちになれない訳」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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