お金持ちから学ぶ見栄の張り方
お金持ちそうに見える人が本当にお金持ちとは限らない。見栄を張ってお金持ちのフリをしている人がいるからだ。
だがお金持ちのフリをしている人もいろいろである。タダの貧乏人なのにウソをついている人もいれば、お金持ちだったが、浮き沈みが激しい世の中で、現在は金欠状態だが、それを悟られないようにしている人もいる。
今回はお金持ちから転落したものの、見栄を張ってそれをカバーしている人から、見栄の張り方を勉強してみる。
お金に困っているという噂が立ったら最後
広告関係の会社を経営しているWさんはかつて本当の大金持ちだった。
設立した会社で取り扱った広告が大当たりし、一時期は年収が10億円を超えていた。
だが最近は会社の業績が低迷し、運転資金にも事欠くようになっている。Wさんの自宅は高級住宅地に建つコンクリートの3階建てなのだが、会社名義にしているため、会社が倒れてしまうと家も失ってしまう状態だ。
だが、W氏はみかけの生活スタイルは以前とまったく変えていない。ベントレーに乗り高級店で食事をしている。本当にお金があった時期を忘れられないのではなく、理由はもっと現実的なものらしい。
「広告業界はある種虚業なので、人の噂が重要です」
「あの人は落ちぶれていると噂されたら、それだけで仕事がなくなるのです」
「危険なことは分かっていますが、やむを得ないのです」
確かにWさんのもとにはWさんを慕う業界の人がいつも集まっている。人が集まると情報も集まってくるので、Wさんにとっては生活スタイルを変えることは本当に命取りになるのかもしれない。
それにお金持ちらしく振舞っていると、Wさんも自然にポジティブな気持ちになってくるのだという。実際Wさんは何とかこの状態を保つことに成功しており、次のチャンスがくるタイミングをじっと待っている。
ダンディ俳優 岡田眞澄の覚悟
俳優の故岡田眞澄氏は、一時期経済的にかなり困窮し、日々の生活費にも困る状態だったという。
だがダンディでゴージャスなイメージの岡田氏が経済的に困窮しているとなると、芸能界の仕事にも影響する可能性が高く、そのことを隠していたという。
帝国劇場で行われる舞台に招待されると、岡田氏は家族で出かけていたという。
ボロボロの中古車に乗り、帝国劇場の隣にある帝国ホテルの地下駐車場に車を停めて、劇場に向かった。
わざわざ帝国ホテルの地下駐車場に駐車するのは、ボロボロの中古車に乗っていることを業界関係者に悟られないようにするためだ。
観劇が終わり帝国劇場で会った顔見知りの業界人とひとしきり会話をする。もし食事などに誘われたら大変だ。食事に行ったり、ましてや人におごる金などない。このときに家族と一緒にいることが効果を発揮する。
食事に誘われても「今日は家族と帝国ホテルのレストランで食事なんで失礼します」といって誘いを断り、悠々と帝国ホテルに向かう。相手はすっかり帝国ホテルの高級レストランで食事をするものと勘違いする。
帝国ホテルに着いた岡田氏は、そのまま地下の駐車場に行き、ボロボロの車で目立たないように帰路に着くのだ。
懐が苦しいのに見栄を張るようなマネはしたくないと思う人も多いかもしれない。だが「お金持ちは靴と時計を見れば分かるとい説のウソ/ホント」でも書いたように、高級ブランドや自動車などお金持ちの「記号」となっているものを身に着けることで、周囲の対応が変わるという現象は実際に起こり得るものなのだ。
また岡田氏やW氏は、見栄を張ることでそれをパワーにすることができている。岡田氏がここでくじけてしまっていては、ダンディなイメージのまま一生を終えることはできなかっただろう。
今だに港区のマンションは効果アリ
民主党の国会議員であった故永田寿康氏が、ホリエモンが送ったとされる偽メール問題で辞任した事件を覚えているだろうか?。
永田氏はガセネタを持ち込んだ会社社長にいとも簡単に騙されてしまったわけだが、その社長を確かな人物と信じてしまった理由は「港区の高級マンションに住み、高級車に乗っているから」というものだった。
もちろんそれだけが判断基準ではないだろうが「港区のマンション」と「高級車」が今だにステータスになっていることが明らかになったという意味で、ちょっと興味深い事件だった(ちなみに永田氏は議員辞職後、精神に支障をきたすようになり2009年に飛び降り自殺している)。
もちろん「いかにも金持ちです」といった身なりや生活態度に対しては反感を覚える人もいるだろうし、別なプライドを持っている人(例えば自分はエリートと思っている人や家柄がよいと思っている人)には逆効果かもしれない。
だが程度の問題はともかくとして、ある程度お金があって余裕そうな雰囲気を漂わせていることにはプラスの効果がかなりありそうだ。古くは「馬子にも衣装」(つまらぬ者でも外形を飾ると立派に見えることのたとえ)ということわざもある。ごくフツーの人でも、ある程度も身なりには気を使った方がよさそうである。ただし、イタい勘違いにならないようにご注意を!
【参考記事】
「お金持ちは靴と時計を見れば分かるという説のウソ/ホント」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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