成功者はよく寝るのホント/ウソ
寝具メーカーが発表した世界の成功者たちの睡眠時間が話題になっている。7時間以上の睡眠を取っている人が多く、意外に寝ているという印象が強い。だがこのデータを解釈する際には少し注意が必要だ。成功する前から、長い睡眠時間だった保証がないからである。
マイクロソフトはかつて苛烈な環境で有名だった
例えばビル・ゲイツ氏は、毎晩12時には寝て、7時間の睡眠を確保しているそうである。だが、これはマイクロソフトのトップを引退し、慈善事業を夫婦で行っている今の睡眠時間である。
ゲイツ氏が現役時代に、本当のところ何時間睡眠だったのかは不明だが、かなり短かったと考えるのが妥当である。それはマイクロソフトという会社を理解すれば容易に到達できる結論だ。
マイクロソフトは今でこそ、世界的な超優良企業だが、以前は成長著しいベンチャー企業だった。その中でもマイクロソフトは特に苛烈な環境で有名で、一時は、結婚して家庭を持つと昇進に影響すると社内に公言していた時期すらあった。つまり24時間、働けということである。
ゲイツ氏も今では温和な慈善活動家だが、昔はライバルを口汚く罵り、自分が要求する水準に達しない部下に対しては,容赦なく罵声を浴びせていたことで有名である。もし当時のマイクロソフトが今の時代に存在したら、ブラック企業と呼ばれていたかもしれない。
米国のIT企業は、多かれ少なかれ、同じようなカルチャーだと思ってよい。調査結果の中にヤフーCEOのマリッサ・メイヤー氏の睡眠時間も出ているが、彼女は12時に寝て、4時に起きているので4時間睡眠ということになる。米国のビジネスエリートは早朝から猛烈に働く傾向があるので、彼女の生活パターンはかなり標準的ではないだろうか。
成功するとたっぷり寝る必要が出てくる
ちなみにメイヤー氏は、グーグルの社員時代、昼でも深夜でも会社にいることで有名だったといわれているし、ヤフーのCEO就任後は在宅勤務を禁止し、社員に出社を強要したことでも知られている。
大半の成功者は、成功するまでの間は、それこそ死に物狂いで猛烈に働くことが多い。だが一旦、成功すると、すべて自分中心にスケジュールを組めるようになってくる。また、仕事の中で、実務をこなすことよりも判断することの割合が高くなってくる。
資産家になると、判断ミスが致命的な影響を及ぼすことになるため、常にハッキリとした頭脳でいたいという願望が強くなってくるのだ。こうした状況が重なり、成功者の大半は、比較的長時間の睡眠を取るようになる。
食についても同様である。成功の道を駆け上がる途上では、よく飲み、よく食べるという人が多いが、完全に成功すると、食を控えるようになる人も少なくない。暴飲暴食によって次の日の判断力が鈍ることを何より嫌うのがその主な理由である。
すべての人がそうではないだろうが、成功する人はたくさん眠るのではなく、成功したので寝るようになったというのが現実に近いだろう。
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