感情的になれないとお金持ちにはなりにくい
人は感情に大きく左右される動物である。これがマイナスに作用すると非常によくない結果をもたらすが、プラスに作用した時の効果は大きい。前回のコラムでは、冷静になれないとお金持ちになれないという話をした。今回の話はそれと矛盾するように思えるが必ずしもそうではない。
新しいアイデアは現状に対する怒りから生まれる
事業や投資で成功する人の多くが、現状を打開したい、おかしな状況を変えたい、など、強い感情を動機にしている。
人間の能力は、気持ちの持ち方によって何倍にも増強される。お金持ちになることはそう簡単なことではないので、これを達成するには、相当なパワーが必要となる。その意味では、こうした強い感情にサポートされる面が大きいのだ。
不公正な状況に出くわしたり、効率の悪いサービスを目の前にしても、あまり怒らないという人は多い。確かに日常生活を円満に送るということを考えると、こうしたことにイチイチ腹を立てていてはマイナスにしかならないだろう。また日本社会は何らかの状況に対してノーを突きつける行為は、周囲から非難されることも多いのでなおさらだ。
「いい人」として、平和な人生を送ることが目的であれば、何事にも怒らず、唯々諾々と受け入れるのがベストである。だが「お金持ちになる」ということを考えた場合、そうはいかなくなる。
新しいアイデアやプランというものは、現状の不満に対する怒りから生み出されるものが多いのだ。与えられたものに満足して、それを受け入れることが当たり前になっている人からは、なかなか画期的なアイデアは出てこない。いわゆる起業家と呼ばれる人に、少々変人が多いのはそのためである。
経営学の世界でも、感情は重視されている
筆者は仕事柄、どうすればお金持ちになれるのか、どうすれば投資やビジネスで成功するのかについて日々考えている。
成功者のパターンを分析したり、自身の体験などから、それはある程度法則化することは可能だ。しかし、最後の最後に成否を決めるのは、本人の強い意識であり、パワーである。この部分だけは、法則でカバーすることはできない。
米国ではベンチャー企業に関する学問も発達しているが、他の経営学と異なり、ベンチャー企業の世界においては、アントレプレナーシップ(起業家精神)がもっとも重視される。経営に関する学問であるにもかかわらず精神論というのはちょっと違和感があるが、それだけ起業家のマインドが重要ということの裏返しでもある。
もっとも、マインドが大事といっても、感情の赴くままに行動していてはほぼ100%失敗する。お金持ちになるためには、感情というパワーをうまくコントロールしなければならない。
感情をコントロールする最良の方法は感情をコントロールしないようにすることである。これはトンチではない。感情はコントールできないものであり、これを操ろうなどとは考えない方がよい。そんなことをしていたらそれこそ精神衛生上よくないだろう。
感情は操るのではなく理解することが重要である。自分は今、落ち込んでいる、自分は今、高揚していると分かっていれば、それを前提に行動することによって、そこから派生するミスを食い止めることができる。感情に無理に逆らってはダメなのだ。
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