お金に縁がない人は見えているモノに安心を感じる
人は嫌なことを見たり考えたりしたくない動物である。人間以外の動物も基本的そうだろう。だが人間には、嫌なことでも事前にそれを考え、対応策を練るという知恵がある。お金持ちになれる人は、こうしたことに積極的である。
日本人は本当にリスク回避的?
日本人はリスクを嫌う民族だといわれる。それは確かにその通りなのかもしれないが、日本人がリスクを回避する行動を取っているわけではない。日本人はむしろ、過大なリスクをその認識なしに取っていることが多い。
日本の住宅ローンはかなり危険な商品の部類に入る。米国の住宅ローンは、仮にローンが払えなくなっても家を手放すだけでよく、最後まで借金に追われることはない。
だが日本の住宅ローンは、家を差し押さえられても、ローン残高に足りなければ、残りは容赦なく返済を要求される。住宅ローンを原因とした一家離散などがなくならないのはそのためである。
住宅ローンは、ほかにはない有利な点もあり、筆者は必要に応じて使えばよいと思っている。だが、住宅ローンを組んでいる人の中で、このリスクを正確に認識している人がどの程度いるのかは定かではない。無理な住宅ローンを組んでいる人は、本人が認識しているかはともかくとして、客観的に見て相当なリスクを抱えていることになる。
就職に対する考え方も同様である。確かに独立や起業には様々なリスクが伴うが、サラリーマンとしてひとつの会社にすべてを依存することが安全かどうかとはまた別問題である。そのリスクを理解した上で、サラリーマンを続けているのならよいのだが、そうではない可能性がある。
オーストリッチ症候群とは?
お金持ちになれる人は、自分でコントロールできないものには強い不安を感じる。お金持ちの人が日本の住宅ローンに否定的な人が多いのは、自分でコントロールできない部分があまりにも多いからである。
お金持ちになれる人は、自分が知らないことをカバーするためにはコストを払って情報を取得し、さらにコストを払って自分のコントロール下に置こうとする。
一方、お金に縁のない人は、自分が今、見えているものだけに安心を感じる傾向が強い。
自分が見えている風景の向こう側に何があるのかは考えないのだ。さらにそれが何らかの危険をもたらすようなものである場合には、意図的に見ないようにしてしまう。
心理学の世界では、オーストリッチ症候群という言葉がある。オーストリッチ(ダチョウ)は大きな恐怖を感じると、頭を砂に埋め、見なかったことにする傾向があるというが、お金に縁がない人の行動はそれに似ている。
知らないことをできるだけなくそうとする人がリッチになり、目の前にあるものしか見ないようにする人が貧乏になっていくのはある意味で必然といえる。
【参考記事】
「リスクを取るということ」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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