ピケティから何を学ぶか
フランスの経済学者トマ・ピケティの著作「21世紀の資本」が話題となっている。700ページもある経済書だが、米国に続いて日本でも大ヒットとなっている。
日本の格差拡大はこれからさらに顕著になる
ピケティがこれほどまでに話題になったのは、格差拡大のメカニズムを明らかにしたからである。ピケティによると、歴史的にいつの時代も、資産の収益率(r)が所得の伸び(g)を上回っており、これによって富を持つ人とそうでない人の格差が広がり続けるという。
これはどういうことかというと、資産家が資産を運用して得られる収益率は、平均的な給料の伸びよりも高いということである。つまり働いているだけでは、いつまで経ってもお金持ちになれないといういことを意味している。
日本はこれまで富裕層の割合が低く、平等な社会といわれてきた。最近は日本でも格差が拡大しているといわれるが、日本の場合、状況は厄介である。このところの格差拡大は、貧困率の上昇からも分かるように、超富裕層が増えるという上方向への拡大ではなく、下方向への格差拡大なのである。
ピケティがいうところの上方向への格差拡大は、むしろこれから顕著になってくる。アベノミクスによって日本はインフレ政策を採用しており、これが成功すれば、株価がさらに上昇する可能性が高い(現在のところ、アベノミクスが完全に上手くいくのかはまだ分からない)。
日本では株式投資を行っているのは富裕層だけなので、今度は上方向への格差拡大も始まってしまうのだ。
投資をするにも原資が必要
日本でも今後、欧米型の格差拡大が始まるということになると、どうすれば、その影響を受けずに済むだろうか?
資産から得られる収益が給料の伸びを上回るというのであれば、素直に考えれば積極的に投資をすればよいということになる。だが投資をするといっても、簡単なことではない。
まず、問題となるのが投資から得られる収益の絶対値である。1億円の資産を持ち、5%の利回りであれば、何もしなくても年間500万円ずつ資産が増えていく。給料しか収入がない人に比べれば雲泥の差である。
だが、投資の原資が100万円しかなければ、1年間に得られる収益はわずか5万円である。収益率は同じでも、絶対値として話にならない。やはり投資はある程度の規模がなければ意味がないのである。
まとまった投資資金を作る基本はやはり貯金である。だが給料を貯金しているだけでは、なかなか、まとまった資金にはならない。
副業を行う、事業を始めるなど、まずはお金の入りを増やす努力が必要となる。投資の原資が大きければ、取りに行くリスクも軽減できるからだ。
まとまった資金を作り、その上で投資から得られた収益を再度投資に回していくサイクルを確立することで、資産規模を自動的に増やしていくことが可能となる。これができた人は、やがて資産から得られる収益が、給料を上回っていくことになる。
【参考記事】
「投資はお金持ちになってから」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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