節約マニアがお金持ちになれないわけ
節約マニアはお金持ちになれないといわれている。お金持ちになるにあたって節約をすることは非常に大事なことなのだが、なぜ節約マニアがいけないのだろうか?
支出の削減は最低限度の行為
より多くの資産を形成するためには、なるだけ多くのお金を稼ぎ、支出をなるだけ少なくする必要がある。当たり前といえば当たり前の話である。
お金をたくさん稼ぐことと、支出を減らすことのどちらが簡単かといえば、やはりそれは支出の削減である。そうであればこそ、支出の削減は、企業であれ、個人であれ、まず取り組むべき課題なのである。
だが実行が容易である分、支出の削減はその効果も限定的になりがちである。
支出の割合が大きい費目というのは実は限られている。個人であれば、住宅と自動車と保険の3つであり、企業であれば、まずは人件費ということになる。逆に言えば、これ以外の細かい項目でいくら削減しても、全体的な効果は少ない。
支出の削減、つまり節約は、最低限、取り組んでおくべきことであり、根本的な解決策ではないのである。
だが節約マニアの人はここを勘違いしてしまう。支出を削減することそのものが目標となってしまい、かけた労力に対して、どれだけの効果が得られているのかについて、あまり考えなくなってしまう。
全体から見れば最初のステップに過ぎない節約に血道を上げ、そこに自己満足しているようでは、その先が思いやられるのは当然のことといってよいだろう。
節約はお金を使うためにある
節約するという行為を、次のステップである「稼ぐ」という行為まで昇華させるには、どうすればよいだろうか?それは節約によって作られたお金は、稼ぐための軍資金と考えることである。
皮肉なことだが、お金儲けをするためには、一定金額のお金が必要である。
ビジネスをするにせよ、投資をするにせよ、最初に投資すべきまとまった金額というものがある。そしてこの金額は基本的に大きければ大きいほど有利になる。
お金持ちがさらにお金持ちになりやすいといわれるが、それは、新しい事業や投資に対する軍資金を比較的に容易に集められるからである。もちろんこうした初期投資についても、できるだけ小さくする工夫は必要だが、ケチってばかりでは十分な成果は得られない。
つまり節約するお金は初期投資としてパッと使ってしまうためにあると考えるのだ。苦労して貯めたお金をとても使う気になれないと考えるのか、ようやく努力した甲斐があって、まとまって使うことができるお金を手にすることができた、と考えるのかでは大きな違いとなる。
もしお金を使うのが、惜しくて惜しくてしょうがないのだとすると、あなたは節約マニアの可能性がある。あぶく銭ではない、苦労して集めたお金を、次の利益のためにパッと使える人が、本当の意味でお金持ちになれる人である。
【参考記事】
「ガマンすると貧乏になる」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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