趣味に凝る人はお金持ちになれない
お金持ちで趣味に凝っている人は多い。だがその多くは、生まれつきお金持ちか、お金持ちになってから趣味に凝りはじめたのであって、趣味に凝ってお金持ちになったのではない。
全員が全員そうではないのだが、お金持ちになった人から話を聞くと、趣味に凝りやすい人はお金持ちにはなりにくい体質のようだ。
筆者自身も結構趣味に凝る方だったので少々耳が痛い。しかも、趣味を持っているとその趣味にお金を使うからという単純な理由ではなく、趣味に凝る性格がお金を遠ざけるのだというから少々深刻だ。
趣味といってもいろいろある。音楽や読書といった芸術系のものや、スポーツ系、グルメ系など千差万別だ。お金持ちとの関係でいえば、趣味の種類ではなく、趣味に対する取り組み方が問題になる。
同じことを趣味にしていてもこんなに違う人生
サラリーマンをしているIさんは、学生時代からずっとギターを続けている。今でも半年に1回くらいは仲間とライブをやるぐらい入れ込んでいる。
Iさんは今はギターを演奏しているがもともとはピアノを習っていて、ギターは独学だそうだ。このほかにベースも演奏できるという。
Iさんは一時期プロになりたいと思ったほどで、その演奏は趣味のレベルを超えている。ソロを取る時に重要となるスケール(音階)やコード(和声)も体系化しており、教科書が作れてしまうほどだ。
だがIさんは基本的にアマチュアで通すつもりでプロになるつもりはもうないという。
一方で自分の仕事のキャリアも磨きたいと考えており、転職やぼんやりとだが起業や独立という選択肢も頭に描いている。
一方、IT系の起業家であるWさんも音楽が趣味だ。Wさんはドラムを叩く。だがWさんはIさんと違って学生時代からドラムをやっていたわけではない。
会社を設立してからミュージックスクールに通って習ったのだという。今でも週に1度はスクールに通ってドラムを叩いている。
Wさんはいう。
「ドラムを叩きに行くとホントにスッキリします」
「これがないと1週間の調子が狂ってしまいますね」
「叩き終わって冷たい飲み物を飲むと、また仕事頑張ろうと思うのです」
ドラムを習うきっかけは?という筆者の問いにWさんはこう答えている。
「なんか音楽ができたらカッコイイなと思ったんです」
「それでミュージックスクールのWebサイトを見たらドラムのコースもあるのでコレだ!と思いました」
趣味とは本来辛いもの
一方のIさんは、ピアノは小さい頃に習っていたのだが、その他の楽器は皆独学である。
Iさんによれば「やってみようかなと思って一旦いじりはじると夢中になっていて、いつのまにか弾けるようになっている」のだそうだ。
夜にヘッドホンをして楽器の練習をしていると、気が付くと朝になっていることもしょっちゅうだという。
だがIさんは音楽をしているときが最高にハッピーかというそうではないらしい。
「いつも自分の才能の無さにイライラします」
「もう少し自分に才能があればと、毎日思っています」
Iさんは根っからの音楽人なのだ。おそらく楽器を演奏しているときの自分が一番好きなはずだ。
だが、音楽が分かるが故に、Iさんは自分の才能の無さ(一般人から見ればスゴい才能なのだが)に容赦なく苦しめられる。
一方のWさんは合理的でスクールで習って趣味にしようという発想を持っている。しかも週に1回と機械的でしかも生活のペースを調整するためのツールにしている。あくまで道具なのだ。スクールに行くたびに、少しずつ上達していることを実感できて嬉しいという。
Iさんの生活は個人的にはすばらしいと思うが、お金持ちになるという観点から見ると、かなりのマイナスポイントだ。
趣味が趣味であるためには、趣味そのものが目的になっていなければならない。Iさんはまさにこの状態となっている。Iさんにとってお金を稼ぐことのプライオリティは低いだろう。何か特別に運のいいことがないとIさんがお金持ちになる確率は低い。
一方でWさんはおそらく一生音楽の本当の楽しさを知ることはないだろう。趣味とは実は苦しみの連続だということもWさんには無縁な話題だ。
これはスポーツについても同じことがいえる。
同じランニングをしている人でも、走ることそのものが目的になっているひとと、あくまで体力づくりや体調維持のために走っている人では、その内容はまるでちがったものになる。
趣味を持っているというあなたはどちらの趣味だろうか?
【参考記事】
「資格マニアがお金持ちになれない本当の理由」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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