お金持ちのための銀行「プライベートバンク」とは?
お金持ちにはお金持ちのための専用銀行があるのをご存知だろうか?。プライベートバンクと呼ばれており、資産額が一定以上の顧客のみを対象とした特別な銀行だ。
プライベートバンクはもともとスイスで発達してきたもので、顧客ごとに選任のコンシェルジュが付き、資産の運用はもちろん、子弟の進学や海外不動産の管理など、資産家のありとあらゆるニーズに応えてくれる。
預け入れる資産は最低でも数億円が必要となる。
日本にはプライベートバンクと呼ばれる金融機関は存在していなかったが、金融サービスの国際化に合わせて、海外のプライベートバンクが日本に進出してくるようになった。日本の金融機関もそれに刺激されて、最近では富裕層向けのサービスに力を入れるところも出てきている。
プライベートバンクの中ではどんな会話が交わされているのか?
プライベートバンクという名前からして何やら謎めいた雰囲気があるし、お金持ちの人だけに特別なサービスを提供していると聞くと、中ではどんなやり取りがされているのか知りたくなる。
噂によれば、サロンなどが用意されているとのことなので、ソファーに深く身を沈め、シャンパンなどを傾けながら、特別な投資案件を紹介してもらったりできるらしいのだ。
「そんなの単なる幻想ですよ」
そう笑うのは、外資系のプライベートバンクのサービスを利用しているM氏だ。
M氏は人材派遣の会社を立ち上げ、大手企業に売却し大きな資産を得たお金持ちである。資産の一部は外資系のプライベートバンクに預けているという。
「私は外国で育ったので、海外にも拠点がいくつかあります」
「海外送金や現地での運用というニーズがあるので、外資系の金融機関とお付き合いしています」
「プライベートバンクのサービスはそのオマケみたいなものです」
確かに日本の金融機関よりも、海外送金などは手馴れていて使いやすいという。だが、プライベートバンクだからといって特別な話があるかというとそうでもないらしい。
外資系のプライベートバンクで実際にあった話
「確かに海外のファンドなども紹介してもらえますが、自分で探すこともできなくはないレベルです」
「私が利用している銀行には確かにサロンはありますが、ごく普通の応接ですよ」
「飲み物もあるにはありますが・・」
「それに資産数億からといわれてますが、中には数千万円で利用している人もいます」
それに、お金持ちだからといって特別にいい思いができるわけでもないという。某外資系のプライベートバンクは、危険な商品を無理に顧客に販売して、顧客が大損を出してしまい、結局日本から撤退してしまったそうだ。お金持ちだから得するどころか、身ぐるみ剥がされそうになったのだ。
お金持ちは常にいい思いができているというのは幻想と思った方がよさそうである。
もっともM氏によれば、数百億円レベルのお金持ちになると話は違ってくるという。金融機関の方から選任の担当者がやってきて、いろいろな提案をされるらしい。特に株式を上場した企業オーナーには、相続税などの対策もあることから、そのようなサービスが多く提供されているという。考えれみれば、それくらいの大金持ちともなれば、わざわざ銀行に行って話を聞くなんてことは有り得ないことなのだろう。
プライベートバンクの役割に近いのは信託銀行
それでは日本にはお金持ちのための金融機関は存在しないのだろうか?
そんなことはない。欧米のプライベートバンクのようなイメージとは程遠いが、お金持ちのためにサービスを提供している金融機関がある。信託銀行だ。
このコラムでは何回か書いているが、日本のお金持ちの資産は不動産に偏っている。信託銀行はお金持ちが所有する不動産を有効活用するための支援などを行っている。
また遺言状などを管理するなど相続対策も仕事のひとつだ。ただしここは欧米ではなく日本。シャンパン片手に説明を受けるというようなサービスはない。ごく普通の銀行マンが説明してくれる。
もっとも冒頭でも触れたように、日本の銀行でも富裕層向けサービスに力を入れるところも出てきている。1000万円くらいのお金が用意できれば、銀行が用意するサロンで各種の手続きをすることが可能だ。新生銀行では投信などの指定商品を購入するといった各種条件を満たせば300万円からでもサロンを利用できる可能性がある。
欧米プライベートバンクの雰囲気だけでも味わいたい人は、がんばって貯金してみてはいかがだろうか?
【参考記事】
「お金持ちにとって飛行機のビジネスクラスとは?」
「お金持ちにホンモノもニセモノもない」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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