苦労した人がお金持ちになりやすいワケ
苦労が多かった人はお金持ちになりやすいといわれているが、それは大筋合っている。もちろんそれは、苦労した人にはご褒美があるとか、苦労した人は人の痛みが分かるので人徳があるというような安っぽい話ではない。人にもよるが、困難が多いと人間は必然的に合理的に行動するようになり、それがお金儲けに有利に働いてくるのだ。
同じ男尊女卑であっても
筆者の知人男性の話である。ひとりはサラリーマンをしていて、もう一人は会社を経営している。二人に共通する特徴は男尊女卑という点だ。サラリーマン氏は会社務めなので、露骨にそのような発言をすることはないが、心の中では、男は社会に出て女性は家を守っているべきだと考えている。彼の奥さんも専業主婦だ。
一方社長氏は、サラリーマン氏よりも立場が自由なせいか、日頃から男尊女卑的な発言が多い。だが彼の会社には幹部社員も含めて女性社員が大勢いる。しかも彼の奥さんは働いている。客観的事実だけを見れば、どう考えても社長の方が男女平等論者である。
筆者は社長氏に発言と行動の矛盾について質問したことがあるが「そりゃ金儲けのためには、性別なんか選んでられないだろう」という答えが返ってきた。
社長氏は、経営者として常に成果を上げるプレッシャーにさらされている。自身がオーナーでもあるので、会社が倒産すれば自分も自己破産である。
経営者としては、なるだけ安い賃金で優秀な人物を採用したい。女性というだけでそもそも門戸を閉じてしまうのは、ナンセンス極まりないという。またイザという時のために、奥さんには働いていてもらいたいという。
苦労が多いとムダなものを取り除くことができるようになる
一方サラリーマン氏は、見かけはリベラルだが、自分の中では強力な「べき論」を持っている。発言は抑制しているので、確かに言っていることとやっていることに大きな矛盾はない。
だが本人は大きな違和感を感じているのだ。社長氏の方は言っていることとやっていることに矛盾があるが、本人は違和感を感じていない。
発言と行動が矛盾するのはあまり褒められたことではないが、ことお金儲けに関して言えば、社長氏の方がサラリーマン氏より圧倒的に適性がある。というよりも、彼は社長になってそうなっていったのかもしれない。
自身で事業を始めると、あらゆる責任が自分自身に降りかかってくる。会社の知名度がないので惨めな思いをすることも多い。だが逆にそのことが合理主義を徹底させる土壌となる。
余裕のない中で、それなりの利益を出そうと思ったら、徹底的に合理主義的になるしか方法がないのである。その結果、つまらない「べき論」は消滅し、人生が目的合理的でスリムなものになる。
お金に関する嫌悪感、女性や外国人に対する考え方、学歴、格差など、人の思考回路や行動を縛っている様々な要因について、合理性に基づいて受け入れられるようになれば、お金持ちへの道は早い。
その意味で苦労した人はお金持ちになりやすいのだ。ただ苦労することによってさらに頑固になってしまう人もいるので、これはすべての人に共通というわけではないことに注意が必要だ。
【参考記事】
「お金持ちになれるかは結局メンタリティ次第」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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