リスクをとった人にもれなくご褒美はアリか?
先日、20代前半の若者が事業に失敗した。それほど大きな負債を抱えたわけではないが、精神的に全力投入していたので、燃え尽き感が大きかったようだ。
彼はふと「僕はリスクを取ってチャレンジしたのだから、何らかのご褒美があってもいいのに」とつぶやいた。リスクを取ってチャレンジしたが、不幸にして失敗してしまった人は、確かに気の毒だ。
だがリスクをとった人にご褒美という考え方はそもそも成立するのだろうか?
リスクを取って、かつ成功させた人の評価はどのくらいか?
リスクを取った人は、何もしない人に比べれば賞賛されて当然である。危険を顧みず、人が尻込みすることにチャレンジし全力投入することは非常に価値のあることである。
またリスクを取った人は、うまくいった場合に、非常に大きな金銭的利益を得ることが一般的だ。事業はもちろんのこと、投資にもこの法則は当てはまる。リスクの大きい事業や投資はうまくいった時の利益も大きくなる。
だがこれは裏を返せばなかなか成功しにくいということでもある。なかなかうまくいかないことにチャレンジして成功させたからこそ、見返りも大きいと考えることができる。
そう考えると、チャレンジしたことに見返りが発生するというのは、根本的に矛盾していることが分かる。
チャレンジそのものに価値が発生してしまうと、チャレンジしてかつ成功させた人の価値が相対的に下がってしまうのだ。
リスクを取ってチャレンジしたにも関わらず、失敗すれば何もしなかった人と評価は同じかそれ以下。だからこそ、それにチャレンジして成功させた人は偉大なのである。
残念ながら、チャレンジしただけではご褒美はもらえない、というのが市場原理なのだ。
経験というご褒美はもらえる。この価値は想像以上に高い
もっとも国によってこのあたりの捉え方はだいぶ異なっている。多くの人が想像できると思うが、米国ではチャレンジすることに対する社会的評価はかなり高い。
たとえ失敗してもリスクを取った経験のある人は、そうでない人よりも高く評価される傾向が強い。場合によっては失敗の経験が非常にプラス評価になることさえある。
逆に日本ではチャレンジしたことはあまりプラスには評価されないことが多い。場合によってはマイナスのこともある。
その反対にひとたび成功すると周囲は手のひらを返したように高評価となる。確かに日本ではチャレンジすることのデメリットは大きいかもしれない。
だが挑戦者にはまったくご褒美がないのかというそうでもない。たとえ失敗したとしてもチャレンジした人には、貴重な経験値が手に入る。これはなかなか容易に手に入るものではない。
日本では特にお金に関する話はタブーなので、どのようにしたらお金儲けができるのかという話を入手するのが非常に難しい。だが失敗であったとしても、実際にそれに取り組んだ経験があれば、それがない人との差は天と地ほどになる。
この経験は多くの人にとって無価値だが、チャレンジしようとする人にとっては非常に高い付加価値となる。つまりその経験値を生かすためには、チャレンジを続けることがもっとも合理的なのだ。あきらめては損だというのは、そういう意味である。
【参考記事】
「荷物が多い人は貧乏人」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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