日本はお金が稼ぎにくい国か?
最近はグローバル経済の進展でビジネスにおける国境が次々に撤廃されている。お金を稼ぐのは必ずしも日本である必要はない。
だが一方で、日本は世界有数の市場であることも事実であり、足元の巨大市場を諦めて海外に目を向けるのはバカげているともいえる。そもそも日本はお金儲けをしやすい国なのだろうか?しにくい国なのだろうか?
日本ではベンチャーは成り立たない?
本コラムでは何度か述べているが、単純に企業の従業員として働いて給料をもらっているだけでは、お金持ちになるのは難しい。何らかの形で事業を始めたり投資をする必要がある。
まず事業という観点で考えると日本はあまりいい環境にあるとはいいにくい。
日本における新規開業率は減少の一途をたどっており、逆に廃業率は高止まりしたままとなっている。また新しい事業に対する社会の風潮もかなりネガティブだ。
米国バブソン大学や英国ロンドン大学ビジネススクールの研究者らで組織するベンチャービジネスの国際調査機関GEM(グローバル・アントレプレナーシップ・モニター)の調査では、主要先進国における日本の起業活動率は最低となっている。日本社会は基本的に新しいことに対する抵抗感が強いのだ。
日本では本格的なベンチャー企業を立ち上げるのは難しいというのは事実かもしれないが、必ずしもそれが事業を始めることすべてについて不利になるとは限らない。社会が保守的であることが、かえって有利に働くケースも存在するからである。
その一方で小規模なニッチ・マーケットは多い
企業活動が活発な国は、市場にニーズをとらえた新しい商品やサービスが出るとたちまち大きな会社になっていく。その過程であまりにもニッチな部分は切り捨てられていくことが多い。
だが日本は新しい商品やサービスを提供する会社が成長することを社会が拒絶する傾向が強い。ベンチャー企業が成長しにくい反面、隙間的なビジネスがたくさん残っているのだ。
たとえば米国では、小売店や外食店などは巨大チェーン店が幅をきかせており、店舗形態は案外画一的だったりする。だが日本では様々な嗜好に合わせた多種多様な業態や店舗が存在する。
大きなビジネスを展開することは難しいが、小さな分野でオンリーワンを目指せばそれほど競争しなくても済むという側面がある。
投資についても同様である。日本の株式市場は米国と比べると、投資家の厚み、信頼性、商品のどれを取ってもまったく比較にならない。
だが市場が未成熟であることから、値動きも激しく、場合によっては大きな利益を上げることができるのも事実だ。
最近はアベノミクスで株価が高騰しているが、米国では単なるイメージだけでここまで株価が上がることはほとんどない。批判はあるかもしれないが、うまく活用すればこれほど美味しい市場はないのである。
最終的な良し悪しはともかくとして、その国にはその国の市場の特徴がある。まずはその特徴に合わせて行動することが重要である。
【参考記事】
「お金持ちになりたければ世の中が不公平であるとを自覚すべし」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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