チビ・デブ・ハゲには逆らうな
「チビ・デブ・ハゲには逆らうな!」これは、苦労人の実業家にして現在では資産家として悠々自適の生活を送る関西在住のG氏が語る格言である。
実際にチビなのかどうかが問題なのではなく、コンプレックスは人間にとって大きな原動力になることのたとえである。
コンプレックスを持った人間は、見返してやりたいと努力するだけでなく、普通の人には見過ごしてしまうことも、気がつくことがよくあるのだという。
確かに本人は気づいていなくても、人を傷つける発言をしてしまう人は多い。悪口は言われた人にしか分からないことも多いのだ。コンプレックスを持っている人は、他人の発言に傷つくことも多いが、その分、人間の本質を見極めやすい。
必死に努力し、かつ普通の人には見えないものが見える人は成功する確率が高くなる。逆にいうと敵にすると怖い。G氏は強いコンプレックスを持った人間には逆らわないようにするのだという。
ソフトバンクの孫氏が成功するワケ
またG氏は、多かれ少なかれ、人間は誰でもコンプレックスを持っていると考えている。そこでG氏は、人に会うと必ずその人は何にコンプレックスを感じる人種なのかを、何気ない会話を通じて探るのだという。
もし、コンプレックスにつながる要素が何も見つけられなかったら、その人は何かを隠していると考えて、警戒して付き合うそうだ。
ちょっと極端だが、G氏の人物判定方法はなかなか鋭いものがある。
話は戻って、ハゲの億万長者というと真っ先に思い浮かぶのが、ソフトバンクのトップにして世界的億万長者の孫正義氏だ(孫さんすみません)。
孫氏の身長は推定だが160センチくらい。けっこう若いときから頭は今の状態に近かったので、お世辞にもイケメンとはいえない青春時代だっただろう。だが不思議なもので、億万長者となった現在の孫氏の風貌は風格漂うものになっている。
もっとも孫氏は、在日韓国人の生まれだったため、多くの差別を受けて育ってきた。彼の反骨精神や起業家精神はそこで養われたものであり、容姿のコンプレックスなどどうでもよいレベルだったかもしれない。
孫氏に直接話を聞いたわけではないの本当のことは分からないが、実は孫氏にはもうコンプレックスなどないかもしれない。なぜなら、お金持ちになるとコンプレックスの大半がきれいさっぱりなくなるといわれているからだ。
お金持ちになるとコンプレックスがなくなった理由
「いやあ。いままで自分が感じていたコンプレックスは何だったのだろうという感じです」と笑うのは、都内に住む起業家U氏だ。
U氏は中堅大学を卒業して、営業の仕事に就いた後、その会社を辞めて独立した。抜群の営業力を生かして業績を拡大し社員50人を抱える中堅企業に成長した。そこで得た資金をもとに、立て続けに3つの新しい事業を起こし、どれも順調に成長して、現在ではセミリタイアしている。
「サラリーマンをしている時までは、自分の学歴にものすごいコンプレックスがありました。いつも人から見下されているような気がしていました。ですが、会社が成功してお金持ちになってみると、それがスッと消えてなくなっていたのです」(U氏)。
U氏は自分では気がついていなかったが、U氏の中では、高学歴とお金持ちになることが結びついていたのだ。確かに日本では、勉強が出来ていい学校に入れると、いい会社に就職ができて、いい給料がもらえるという思考パターンを小さいころから叩き込まれる。
だが、実際は、いい会社に就職できたところで、たいしてお金持ちになれるわけではない。苦労して高学歴を得たお勉強エリートは、その事実を受け入れたくない。そのために、やたらと学歴ばかりが強調されるという結果になる。
U氏は高学歴が欲しかったのではなく、本当はお金持ちになりたかったのだ。お金持ちと高学歴が意味もなく結び付けられていたので、高学歴でなかったU氏は激しいコンプレックスを持ったのである。
だが、U氏は努力の結果、お金持ちになることができ、自分本来の欲求を満たすことができた。すると、U氏にとって高学歴など、もうどうでもよくなってしまったというわけである(学歴とお金持ちになることの関係は、「勉強ができると金持ちになれないという「噂」を検証してみる」の回を参照してください)。
自分とのミスマッチが一番不幸なこと
全員がそうではないだろうが、学歴エリート呼ばれる人の中にも、実はお金への欲求が極めて強いという人は多い。そしてその多くがそのことを自分でも気づいていない。
エリート公務員がつまらない賄賂を受け取って処分される事件や一流会社の社員が高級時計を万引きするケースなどが報道されることがある。なんで!と思うような話だが、お金に対するコンプレックスと考えると説明がつく。
勉強エリート君は「まじめ」なので、先生や親から勉強すればいい生活ができると教えられると、まっしぐらに努力する。長年の受験勉強に耐えて入った一流会社の給料では、実は思ったほどお金持ちにはなれない。
一方で、中卒だが商売で成功した人は若くしてベンツに乗り、ロレックスの時計をしている。この事実に折り合いがつかないのだ。
この勉強エリート君は、本当はお金持ちになるための努力をすべきだったのだ。
今回は、コンプレックスがお金持ちになる秘訣という話なのだが、それ以上に、自分に合った生き方をすることはものすごく大事なことのようだ。
【参考記事】
「宗教を信じているとお金持ちになれる?」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
関連記事
-
-
お金を動かすこととお金を儲けることは違う
世の中ではお金を動かすことと、お金を儲けることがよく混同されている。もちろんお …
-
-
親の年収が高いと学校の成績がよいというのは本当か?
親の年収や学歴が高い方が子供の学業成績がよいという文部科学省の調査結果が話題と …
-
-
お金持ちはカゼを引かない
バカはカゼを引かないとよくいわれるが、本当にカゼを引かないのはお金持ちである。 …
-
-
成功者が不幸なのは、自分の限界を理解できるから
筆者はよく、お金持ちはあまり幸せではないと述べている。だがそれは、一般的に言わ …
-
-
ホリエモンの家事月2万円論争から分かること
先日、ネット上で家事の分担をめぐってちょっとした騒動が発生した。 あるブロガー …
-
-
お金持ちになれる人は責任感の定義が違う
ビジネスや投資で成功するためには、強い責任感を持つことが重要である。成功者の多 …
-
-
お金持ちにはホンモノの味が分かるというのは本当か?
お金持ちの人はホンモノの味が分かるという話がある。日頃からレベルの高い食事をす …
-
-
相手にモヤモヤする人はお金持ちになれない
このところ、相手にモヤモヤするという言葉の意味が変わってきている。以前はまさに …
-
-
お金持ちは相手に理解を求めない
お金持ちになれる人は、相手に対して、自分を理解することを求めない。ビジネス上の …
-
-
偽ブランド物販売サイトは詐欺か?
ブランド物の時計やバッグなどの偽モノ(コピー商品)を販売するサイトがある。多く …
- PREV
- 世界のお金持ちネットワークの実態とは?
- NEXT
- お金持ちを分類してみると