コンプレックスはお金持ちになるための有力なツールだ
世の中にはラッキーな人がいるもので、たいした努力もすることなく、ちょっとしたアイデアでお金持ちになる人がいる。だがそういう人はあくまで少数派であり、財をなした人のほとんどが超人的な働き方をしている。超人的なハードワークをするためにはモチベーションの維持が必要となるわけだが、これがなかなか大変だ。
喜びの感情は長持ちしない
モチベーションに関する書籍の多くはプラス思考を説くものが多いが、これは壮大なタテマエである。モチベーションを維持する最大の原動力はコンプレックスというのが実態だ。
人間の心理変化を一般法則化すると、ある特徴が見られるという。喜びや楽しみの感情はあまり長続きしない一方で、怨みの感情はかなり長期間にわたって維持されるという。つまり何かを成し遂げる原動力としては、喜びよりもコンプレックスは非常に有効なのだ。
こう考えると、勉強やスポーツでがんばっていい成績を残す人は特殊な存在であるということがわかる。勉強やスポーツができる子は、ほぼ例学なく、先生に褒められたことの喜びをモチベーションにしている。さすがに中学、高校となると小学校のようには先生は褒めなくなるが、その代わりに、偏差値が60を超えた、○×高校、○×大学に入学した、県大会でベスト8に進出したなどという別のご褒美がもらえる。この喜びが忘れられず、ひたすら受験勉強やトレーニングに励むのである。
だが喜びの期間が短いという事実を考えると、こういったことでモチベーションを維持できるというのは、実はめずらしいことであり、一種の才能なのだ(ご主人様に褒められることを励みにいい子にする犬はそれほど多くないのと同じことだ)。
一方、長い間感情に残るコンプレックスをバネにすることは、多くの人にとって有効なはずである。ところがコンプレックスはその方向性のコントロールが難しいという問題がある。喜びをモチベーションにする場合には、褒めらると嬉しい→また褒められたいから頑張る、といった具合に、感情が努力にストレートに直結する。だがコンプレックスの場合は、悔しい→努力して頑張る、という方向性になるとは限らない。悔しい→ふてくされる、という流れになりやすいのだ。
本当の復讐とは?
コンプレックスは特定の相手に向くと確実に機能しなくなる。会社で上司に媚びへつらうイヤ同僚や、そういう部下を露骨にえこひいきするイヤな上司がいるとする。彼らに対して怨みの感情を持ったとして、本人達に直接何らかの形で復讐しようとしてはダメだ。その会社はおそらくそういうルールになっていて、媚びへつらう人が出世するというゲームになっているのである。その中で同じ土俵で戦ってもまた負ける可能性が高い。
コンプレックスをバネしてうまく機能させるためには、勝負するパラダイムも同時に変換しなけれなならない。例えば会社から独立し、相手よりも何十倍も資産を築くといった方向性に向かないと効果を発揮しないのだ。
パラダイム変換がうまくいかないために、いつまでたってもコンプレックスが解消されないというケースは非常に多い。特定の相手や組織に対して怨みを持ち、同じ土俵で復讐を試みている人の多くがうまくいっていないのだ。それに対して、フィールドをうまくチェンジできた人は、成功も復讐も両方手にすることができている。
あるIT企業の社長は、サラリーマンを辞めて独立し、会社を成功させた後、業界団体の集まりに運転手付きの超高級リムジンを乗り付けて現れた。
元在籍していた会社の同僚がこれに嫉妬し、もっともらしく「超高級車を社用車にするなんて経費のムダ使いではないのか?」というようなことを言った。
これに対する社長の返答がふるっている。「ああ、これ俺のポケットマネーで自費なの。会社の経費で飲み食いしたり、車に乗るなんて貧乏サラリーマンのすることだよ!」。そこにいた全員が黙ってしまったという。復讐とはこういうことである。
学歴、親類縁者、容姿、性格など、コンプレックスを持っている人は多い。というよりも、多くの人が何がしかのコンプレックスを持っているといわれる。これは考えようによっては有力な武器なのだ。だが間違っても、同じ土俵で解決しようとしてはダメである。オセロのように一気にひっくり返す別な手段を徹底的に考え抜くべきだ。
【参考記事】
「芸能人はお金持ちなのか?」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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