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グローバルなお金持ちが見せるもう一つの顔

 

 日本には150万人とも180万人ともいわれる数のお金持ち(金融資産1億円以上)がいるという。これはアメリカについで多い数だ。そんなに日本にはお金持ちが多いのだろうか?どうもピンとこない。

 これにはちょっとしたカラクリがある。

 このサイトでも何回か触れているが、日本のお金持ちの多くは、本来は庶民だったのに高度成長で土地が値上がりたことで資産家になった人である。また終身雇用で給料が長年安定してもらえていたことも大きい。

 例えば、東京の郊外に親からもらった50坪の土地と家があり、夫婦2人が共働きで、ムダ使いをしなければ、1億円くらいの資産はあっという間にできてしまう。だが、この夫婦はまわりからみれば、ただの平凡なサラリーマンだ。ところが、円高のせいもあり、世界的には富裕層にカウントされてしまう。

 ところが外国に行くと状況が大きく変わる。

世界のお金持ちは何を考えている?

超リッチな一族が考えること
 1億円以上保有しているお金持ちの数は、日本は世界で2番目だが、1億ドル(80億円)以上を持つ「超」お金持ちの数となると、日本はまったくランキングに入らなくなる。

 同じお金持ちでも、このクラスのお金持ちになるとすべての感覚が違ってくる。

 世界の大金持ちの多くは、自分の国だけなく外国にも複数の拠点を持っている。自分が持つ資産があまりにも大きいため、資産を自分の国だけに置いておくのは危険すぎるからである。アジアなど先進国に比べると政情が不安定な地域のお金持ちならなおさらだ。

 香港華僑の息子であるC君は現在日本の大学に留学している。日本文化に興味があるわけでも、日本語を学んで将来日本とビジネスをすることを望んでいるわけでもない。留学の最大の目的は一族の資産を分散するための拠点作りだ。ちなみにC君のお父さんは、香港で不動産業を営む大資産家だ。

 香港は英国の植民地を経て現在は中国に返還されている。香港は本土と比べてある程度の自由は保障されているが、香港人はいつ何があってもおかしくないと考えている。

 C君のお兄さんはカナダに、お姉さんは欧州にそれぞれ留学している。

お金があっても外国で暮らすことは簡単ではない 
 雑誌などでは、世界のお金持ちは、税金がかからない国や地域(タックスヘブン)に自由にお金を動かして、悠々自適に資産を運用しているなどと書かれている。ならばC君一家もそのようなところに資産を移せばよいはずだ。

 ではC君一家は、家族がバラバラになってまで、なぜ資産を保全する拠点作りをしようとするのだろうか?

 多くの日本人は、多少のお金さえあれば外国で暮らすことは簡単だと思っているが、実際はそうではない。ほとんどの国は、よほどのことがない限り、簡単に外国人を受け入れることはない。特に永住する権利を得ることはものすごく大変なことなのだ。

 よくテレビで芸能人が「今はハワイ在住でーす」というような話をしているが、その中のいくつかはウソである。

アメリカ在住ってホント?

 例えばアメリカなら、現地の会社に正式に雇用されるか、現地の学校に入学して正式なビザを取らないと、3ヶ月以上滞在することはできない。

 ハワイ在住と宣言している人の中には、普通の観光客(ビザなし)として入国し、3ヶ月に1回、日本に戻ってきている人や、現地の語学学校に幽霊学生として在籍してごまかしている人も多い。

 ただし、3ヵ月滞在後のトンボ帰りも何度も繰り返していると、不法就労の疑いがかけられ、強制送還される可能性もある。どの国も入国管理局は甘くないのだ。

 たくさんのお金を持っていく場合でも、現地の事業に投資し、一定数以上の雇用を確保することなど、厳しい条件が課されることも多い。

ガチで住む場所を変えなければならない時
 一方で、シンガポールやマレーシアなどのように、一定以上のお金を持ってくる人には比較的簡単に永住権を与える国もある。ただし、このような国は外国から資金を獲得する政策としてあえてこれを行っているので、国の方針次第で状況が急変してしまうリスクもあるのだ。

お金持ちにとって最大の敵は戦争

 少し話が長くなったが、香港華僑のC君一家は、このことを痛いほどよく分かっているので、現地の生活になじんで、その国の人脈を確保した家族が何としても必要なのだ。

 C君は日本の大学を出て、日本の会社に就職し、日本での生活が継続すれば、いずれ日本で永住することも可能になる。お姉さんやお兄さんも同様だ。

 一族の拠点である香港に何か非常事態が起こって、ガチで住む場所を変えなければならないときには、単なるお金持ちというだけで優遇してくれていた国はあてにならない。兄弟が日米欧にそれぞれ生活拠点を持っていれば、どこかに避難することができるというわけだ。

 あまりオモテでは語られないグローバルなお金持ちのもうひとつの側面である。

【参考記事】
お金持ちのための銀行プライベートバンクとは
【関連サイト】
なぜあなたは出世できないのか?
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