高校野球が好きな人はお金持ちになれない
生活スタイルや娯楽の多様化で、高校野球の話題を口にする人も少なくなってきたが、それでも春と夏の甲子園は大きなイベントの一つである。
毎年楽しみにしている人も多いだろう。だがこの高校野球、お金持ちになるという視点で考えるといろいろと問題ありなのだ。
億を稼ぐ人を応援したいという歪んだ心理
高校野球の選手の活躍を見て「勇気をもらった」とか「夢を与えてくれた」とコメントする人は多い。また活躍するプロ野球選手手に対して「応援したい」という気持ちを持つ人も少なくない。
飲食店のプロデュース業で一躍有名になり、お金持ちの象徴としてTVにもひっぱりだこだったアルカサバの貞方邦介氏(最近はちょっと低迷しているようだが)は、このようなメンタリティを一蹴している。
「年収何億という野球選手を応援したいってバカじゃないの?」
野球選手を応援しているのは生活していくのもやっとの庶民。プロ選手はこのような貧乏人から企業という仕組みを通じて、広く薄くお金を吸い上げ、贅沢三昧の暮らしをする。まさに弱肉強食の世界。だがお金を吸い上げられている庶民は、搾取されていることも知らず、嬉々としてお金を貢いでいる。
しかも、年収何億のプロ野球選手の育成は、高校野球という教育現場を通じて行われており、高校野球とプロ野球は密接に関係している。さらに言うならば、高校野球とプロ野球は、受験戦争を勝ち抜いた学歴エリートの特権を維持するためのメカニズムとして、かなり意図的にデザインされているのだ。
高校野球は受験エリートの既得権益を維持するために存在する
尾方氏もスポーツの純粋な魅力について知らないわけがない。同氏が嫌悪感を持っているのは、背景にある受験エリートの特権を維持するメカニズムについてであると思われる。
本来、高校生のスポーツは教育目的であるから、県や市などで大会を運営しなければならない。だが高校野球だけは別で特定の民間企業が独占的に関与している。
しかもその会社はプロ野球の運営にも深く関わっており、TVの放映を通じて莫大なお金が動く。しかも日本ではTV事業の免許は特定の会社にしか与えられないようになっている。通常はこのようなことは許されないのだが、ここは政治利権になっていて特別扱いなのだ。
高校野球は各地域では最大級のイベントであり、高校野球を運営する組織には、地域の進学校を出た勉強エリートの人たちが要職について、地域に対して強い影響力を持っている。プロ野球の運営組織も、同様である。
この既得権益は非常に強力で、楽天やDeNAといった新興企業がプロ野球に参入するのは容易なことではない。このネットワークに忠誠を誓わないと仲間に入れてくれないのだ。ホリエモンも結局のところ、プロ野球の参入を強引に進めようとしたことが命取りになった。
つまり高校野球に熱心になったり、プロ野球選手を一生懸命応援していると、知らず知らずのうちにこの既得権益者維持システムのヒエラルキーに組み込まれていくというわけである。
ヒエラルキーから抜け出さないとお金持ちにはなれない
そのヒエラルキーは以下のような構造になっている。
①学校に従順で勉強ができる子
②学校に従順でスポーツができる子
③学校に従順だが勉強もスポーツもできない子
④学校に対して反抗的な子
①の子は、いい大学に進学出来て、公務員になれたりいい会社に入ることができる。②の子はスポーツ選手になる。プロになれなくても甲子園出場経験があるなどといえば、地元ではそこそこいい就職口が保証されている。③は従順であること以外に能力がないので、勉強が出来る子とスポーツができる子の下働きをする。④は徹底的に排除する。
③の子が数としてはもっとも多いのだが、①に対して批判が向かないように、②を使ってガス抜きをするのだ。②は表向きの態度はともかくとして、ウラでは①に対して従順だ。
①は安定した大企業の社員という社会的な地位を得られるが、大してお金がもらえるわけではない。③はそもそもいい待遇を与えられないし、④は論外だ。
つまり日本の既得権益ヒエラルキーに入り込んでしまうとお金持ちになる道が閉ざされるのである。お金持ちになるためには④で独自の道を行くしかない。うまく行けば大金持ちだが、失敗すれば社会からひどい仕打ちを受ける。
要するに貞方氏は、困難な道かもしれないけど、④になろうよ!と呼びかけているのである。損するからイヤだと思うか、チャレンジしてみようと思うかはあなた次第である。
【参考記事】
「資格マニアがお金持ちになれない本当の理由」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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