お金持ちの子供はお金持ちになりやすい体質を持っている
お金持ちの子供は、お金持ちになりやすい体質を持っている。これは、相続で資産を引き継ぐという意味ではもちろんない。
お金持ちの家に生まれ育つと、親から財産を引き継がなくても、事業や投資で大きな資産を作ることができる確率が高くなるのだ。
これは統計的に証明されているわけではないが、筆者がインタビューしたお金持ちの事例を見ると、そう実感できる。
おそらく、お金持ちの家に生まれ育つことによって、自然とお金持ちになるための立ち居振る舞いや法則が身につくものと考えられる。
では、お金持ちの家は普通の家とどう違うのだろうか?
親兄弟は他人?
まず第一に、お金持ちの家の親子関係は普通の家とはかなり違う。
いい意味でも悪い意味でも、親子関係がドライだ。
地方の中堅企業オーナーのK氏は、会社を経営している。K氏の父親もまた中堅企業のオーナー社長だった。K氏とK氏の父親は一族が所有する同じ敷地にオフィスを構えているが、K氏は父親の会社をそのまま引き継ぐことはせず、違う分野で会社を設立して現在に至っている。
あるコンサルティングの依頼を受けてK氏の質素なオフィスを訪ねた時のことだ。K氏と筆者が玄関からオフィスに入ろうとした時に、偶然K氏の父親と出くわした。筆者はK氏の父親と名刺交換を行ったが、K氏の父親から「後で私のオフィスにも来て世間話でもしよう」と誘われた。
K氏とともに父親のオフィスを訪ねるときに、K氏は筆者にこう言った。「○○さん(筆者の名前)。社長(父親のこと)の前では気を抜かないでください。切れ者のコンサルタントだという印象を崩さないようにしてほしいんです」
K氏にとって、もっともナメられたくない相手は父親なのだ。現在K氏は結婚して父親とは別の家に住んでいるが、実家で同居しているときも、父親は「社長」であって「お父さん」ではなかったという。
その日の仕事が終わり、近くの飲み屋でK氏と酒を酌み交わしたが、K氏は「父親にはぜったい負けたくないこと」「会社創業時に横柄な態度で融資に応じなかった銀行をぜったいに見返してやりたいこと」などを切々と筆者に語った。
生まれながらにして経営者
都内にあるIT系企業オーナーのE氏は、息子のU氏を自分の会社に入社させた。息子のU氏は、入社数年で一気に事業責任者に昇格した。傍から見れば典型的な親族の特別扱いである。
だが、オーナーのE氏によれば、息子だからと特別扱いしたことは一切ないという。U氏は本当に仕事ができるので実力で昇進させたのだそうだ。
この話題を息子のU氏に振ると、U氏は「オヤジはどうすれば喜ぶかオレはよく分かっている。オヤジが喜ぶプランを一生懸命に提案しただけだよ」と、こともなげに言った。
U氏は幼いころから、社長であるE氏とその部下のやり取りを間近で見てきている。どのようなタイプの社員が出世しやすいのかU氏は完全に把握しているのだ。
U氏によれば、社長のE氏が喜ぶのは経営者の視点を持った提案。
E氏は指示待ちタイプの優等生社員はあまり好まない。「自分は○○の事業を展開して、会社に○億円の利益をもたらしたい。実現したら、自分はその中から○○円の報酬が欲しい」というような経営者的な視点の提案をする社員は出世するのだという。
U氏はそれをそのまま実行して社長(父親)に評価されたというわけだ。
会社の今後の経営全般のことを考えると、E社長のU氏への処遇にはいろいろと問題はあるかもしれない。
だが、U氏が普通のビジネスマンなら10年や20年かけて養っていかなければならない経営者的な視点をすでに身に付けている。
全国の大名を前に 「世は生まれながらにして将軍である」と言い放ったのは3代将軍徳川家光だが、U氏はまさに生まれながらにして経営者だったのである。
使う側の目線を持っている
ある地方都市の資産家であるH氏の息子Y君は現在大学生だが、マインドは完全にお金持ちだ。
Y君は今後、父親の資産(主に不動産)を活用した土地開発をしたいと考えている。だが、Y君は自分の得意分野で勝負しようとは思っていない。
彼の頭の中にあるのは「WHO」という言葉だ。筆者に対しても「ジムなどのスポーツ施設の分野で詳しい人知りませんか?」「ショッピングモールのことについて詳しい人知りませんか?」という質問ばかりだ。
自分ができる範囲というのは限界がある。Y君は自分はあくまで投資家であり、オペレーションは誰か詳しい人に任せればよいと最初から考えている。
もちろんこのことには功罪両面がある。自分がよく分からない分野だからといって人に任せきりにして失敗した例は数限りない。だが「自分ができること」だけにこだわっていると幅広い展開はできないのも事実だ。
お金持ちになるためには、使う側の目線を持つことが重要だ。「働いて給料をいただく」という立場でモノを考えていると、自分は何ができるかばかり考えてしまう。Y君はそのカベを意図も簡単に乗り越えている。U君は最初から使われる側ではなく、使う側の人間なのだ。
【参考記事】
「世界のお金持ちネットワークの実態とは?」
【関連サイト】
「なぜあなたは出世できないのか?」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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